フォロワーシップ
フォロワーシップ(Followership)とは、リーダーの指示を受けて単に従うだけでなく、自律的に考え、組織の目標達成に向けて積極的に貢献するフォロワー(部下・メンバー)の行動姿勢や在り方を指します。
従来の“リーダーシップ”が主導する力だとすれば、フォロワーシップは“支える力”。つまり、リーダーと対になる概念として注目されています。自ら考え、建設的に意見を述べ、周囲と協調しながら目的に向かって動ける「主体的なフォロワー」の存在が、組織全体の成果に大きな影響を与えます。
実務上の重要性や活用場面
現代の組織において、フォロワーシップの重要性はますます高まっています。
複雑化・多様化するビジネス環境では、トップダウン型の指示待ち姿勢では対応できず、全員が「自分ごと」としてチームや組織の課題に向き合う必要があります。特にプロジェクト型の業務や、フラットな組織構造が進む企業では、上司を支えつつ自律的に役割を果たす“優れたフォロワー”が不可欠です。
また、リーダーであっても状況に応じて「フォロワーとしての振る舞い」が求められる場面があり、フォロワーシップは全ての階層で必要なスキルといえます。
研修や組織開発の中での位置づけと具体例
フォロワーシップは、企業研修や組織開発において「チーム力強化」や「心理的安全性の醸成」を目的としたプログラムの中核要素として扱われています。
たとえば、次世代リーダー育成の研修では「上司を支えるだけでなく、意見を伝え、影響力を持つこと」が求められることから、フォロワーシップの理解と実践が取り入れられます。
また、新入社員や若手社員向けの研修でも「指示待ちではなく、主体的に動く姿勢」を育てるテーマとして、フォロワーシップが導入されます。
実際の研修では、「チャレンジとサポートのバランス」「上司に信頼される報連相のあり方」「周囲へのよい影響を与える態度」など、行動レベルに落とし込んだワークやロールプレイを通じて、フォロワーとしての自覚と行動変容を促します。
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