組織風土
組織風土とは、企業や組織における価値観、行動様式、コミュニケーションのあり方などが日常的に根づいた「雰囲気」や「空気感」を指します。明文化されたルールではなく、無意識のうちに共有されている行動基準や人間関係のあり方、意思決定の傾向などに表れます。組織文化(オーガニゼーショナル・カルチャー)と類似しつつも、より感覚的・体感的な要素を含むのが特徴です。
実務上の重要性や活用場面
組織風土は、従業員のモチベーションやエンゲージメント、生産性、離職率に大きな影響を与えるため、経営や人材マネジメントにおいて極めて重要です。たとえば、挑戦を奨励する風土があればイノベーションが生まれやすくなり、心理的安全性の高い風土があればチームの信頼関係が深まります。逆に、閉鎖的で上下関係が強調される風土は、自律性や創造性を阻害するリスクがあります。
研修や組織開発の中での位置づけや具体例
組織風土の改善や変革は、企業研修や組織開発(OD)の重要なテーマの一つです。たとえば、心理的安全性を高めるコミュニケーション研修や、理念・MVV浸透型のリーダーシップ研修などを通じて、望ましい風土を醸成する取り組みが行われます。また、360度フィードバックやサーベイを活用し、現状の組織風土を「見える化」することで、改善の第一歩を踏み出す企業も増えています。特に経営層や管理職が組織風土を自覚し、言動で体現することが、風土改革の鍵となります。
関連キーワード(類語、略語、英語表記など)
組織文化(Organizational Culture)
組織風土改革/風土診断/組織開発(OD)
心理的安全性/企業文化/バリュー浸透/職場の雰囲気
働きがい/エンゲージメント/風土づくり
組織風土の健全化は、表面的な制度や施策以上に、企業の持続的成長や人材育成に直結します。研修や対話の積み重ねを通じて、より良い職場文化をつくることが、組織変革の土台を築くのです。