アクティブラーニング
アクティブラーニング(Active Learning)とは、受動的な講義型の学習ではなく、学習者が能動的に参加し、自ら考え、話し合い、体験することによって理解を深める学習手法です。企業研修や人材育成の現場では、講義を聴くだけでは定着しにくい知識やスキルを、実践を通じて深く身につけさせる方法として注目されています。
アクティブラーニングが重要とされる理由は、変化の激しいビジネス環境において、知識の暗記だけでなく、問題発見・解決力やコミュニケーション能力、協働力が求められているからです。企業においては、リーダーシップ、チームビルディング、マネジメント研修などで、受講者が「自分で考え、対話し、行動に移す」プロセスが成果を大きく左右します。そのため、アクティブラーニングは、現代の企業研修において極めて実務的な意味を持っています。
研修設計の中では、アクティブラーニングはグループワークやディスカッション、ケーススタディ、ロールプレイ、ワークショップ形式などの手法を通じて取り入れられます。たとえば、マネジメント研修では、架空のトラブルケースをチームで分析し、解決策をプレゼンする形式がよく活用されます。また、新入社員研修では、実際の業務に近い課題をチームでこなす「ビジネスシミュレーション型」アクティブラーニングが効果を上げています。
組織開発の観点からも、アクティブラーニングは単なる研修手法を超え、社員一人ひとりが自ら学び、成長し続ける「学習する組織」をつくる起点として位置づけられます。受け身ではなく、主体的に学び合う文化を育てることが、組織のイノベーションやエンゲージメント向上にもつながります。
関連キーワードとしては、「能動的学習」「参加型研修」「双方向型トレーニング」「ワークショップ型学習」「PBL(課題解決型学習)」「反転学習(Flipped Learning)」「体験学習」「ブレンディッドラーニング」などが挙げられます。
アクティブラーニングは、社員の思考力・行動力・協働力を育てる企業研修の中核的手法であり、単なるトレンドではなく、成果に直結する実践知の獲得を促す学びのスタイルです。