レジリエンス
レジリエンス(Resilience)とは、困難やストレス、逆境に直面した際に、それを乗り越えて回復し、前向きに適応していく心のしなやかさや回復力を指す心理学的概念です。もともとは物理学で「弾力性」を意味する言葉ですが、現在ではメンタルヘルスや人材育成、組織開発の分野で広く用いられています。個人だけでなく、チームや組織の「折れにくさ」「立ち直る力」としても注目されており、変化が激しい現代のビジネス環境において重要な能力の一つです。
実務上の重要性や活用場面
レジリエンスは、ストレスの多い業務や不確実な状況下で働くビジネスパーソンにとって不可欠な能力です。たとえば、目標未達、クレーム対応、業務過多、人間関係の摩擦などに直面したとき、レジリエンスが高い人材は冷静に状況を受け止め、自ら立て直し、前向きな行動を選ぶことができます。これは単なる精神力ではなく、思考の柔軟性・自己効力感・自己調整力など、複数の要素から成り立つスキルであり、育成可能な能力とされています。
研修や組織開発の中での位置づけや具体例
企業研修では、レジリエンスをテーマとした「メンタルタフネス研修」や「逆境対応力向上プログラム」が導入されています。新入社員や若手社員だけでなく、管理職向けのマネジメント研修の一環としても取り入れられており、ストレス対処法、セルフケア、ポジティブ思考の習慣化などを体系的に学びます。また、組織開発においても、心理的安全性を高める風土づくりや、エンゲージメント向上施策と組み合わせて活用されています。
関連キーワード(類語、略語、英語表記など)
レジリエンス(Resilience)
心のしなやかさ/心理的回復力/メンタルタフネス
ストレス耐性/逆境力/折れない心
忍耐力/自己調整力/自己効力感/ポジティブ心理学
レジリエンスの強化は、個人の持続可能なパフォーマンスを支えるだけでなく、組織全体のレジリエンス経営にも直結します。社員一人ひとりのレジリエンスを高めることは、離職防止や生産性向上、チームの安定化に大きく貢献します。人事・研修担当者や経営者にとって、いま注目すべき重要キーワードの一つです。