自己効力感

自己効力感(self-efficacy)とは、自分がある課題や目標に対して「自分ならできる」と信じる心理的な感覚・認知のことです。

心理学者バンデューラによって提唱され、モチベーションや行動選択、課題への粘り強さに大きな影響を与える概念として広く知られています。自己効力感が高い人は困難な課題にも前向きに取り組み、失敗を乗り越えやすくなります。一方、自己効力感が低いと、チャレンジを避けたり途中であきらめてしまう傾向があります。

企業研修や人材育成において、自己効力感は重要な指標の一つです。

たとえば、新入社員研修やリーダーシップ研修、マネジメント研修の場面では、受講者が「やってみよう」「できそうだ」と感じられる構成やフィードバックの工夫が欠かせません。目標達成に向けた行動を持続させるには、知識やスキルだけでなく、「自分の力で達成できる」という信念を育むことが不可欠なのです。

研修や組織開発の文脈では、自己効力感を高める手法として以下のような取り組みが効果的です。

成功体験を意図的に積ませるプログラム設計

他者の成功を観察するモデリング(ロールモデル)

励ましや称賛による言語的説得

感情マネジメント(緊張や不安の軽減)

特に、OJTや1on1ミーティング、コーチング型マネジメントといった日常の関わりの中で、自己効力感を高める関わりを実践することが、組織の成長力や社員の主体性向上に直結します。

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